布団の季語は冬らしいのですが、春のほうが布団を楽しめているよなと。
どうも、新居です。春眠が暁どころか昼まで覚えていない。
普通は睡眠を休息、体力回復のためにしているかと思いますが、春は睡眠を娯楽として楽しめると思ってまして。二度寝、三度寝を旬のものを味わう感覚でやっています。
惰眠をむさぼるってのをこんな風に言い換えれば気が楽になりますね。
なんて書いていたのを今ごろ発見した、夏の終わり。夏もあっという間でしたかね。
さてさて、伊香保二日目に参ります。前日真っ暗だったホテルの露天風呂に朝から起き抜けに行きました。露天風呂、ホテルの屋上にありましてね。少し肌寒かったのも温泉には相性が良く、澄んだ空気のなかで遠くの山々の稜線やまばらに色づいている山肌が一望できる壮大な景色を、知らないおじさんとふたりじめしておりました。エレベーター近くの壁にでっかいゴキブリがいたことも、自然の雄大さを見た後ではなんだか許せました。
朝食ですが、一人旅では基本的にはホテルにて手配してもらうようにしております。というのも、地方だと、朝から地のものを食べられるお店が近くにないことも多く、コンビニやチェーン店で済まさざるを得ないのはやだな、という気持ちがあるのと、ホテルや旅館での朝食に形容しがたい雅さを感じるからです。旅館での焼き魚、味付け海苔、味噌汁、ごはんといった「これぞJAPAN!」っていう朝食はそりゃ雅ですが、朝食ホテルバイキングの、薄い半円形のハムやまっ黄色で同じ規格の長方形な卵焼きといった、どこかで一度は見たことのあるような朝食にもそれはそれで高揚します。なんでかって言われると困るんですが、非日常とつながっているからではないかな、と考えています。今回はバイキング形式で、おいしかったかどうかはよく覚えていませんが、高揚しながら食事をしていたのは覚えています。
さて、体力も回復し、今日は何をしようかと周辺について少し調べてみました。こんな感じのノープランでも許されるのが一人旅のいいところだし、トラブルの原因にもなります。
調べてみたところ、行ける範囲には有名な何かしらは特にないなという結論に。何を血迷ったか、一人で牧場に行きました。
いや、否定されるいわれはないんですよ。一人で牧場に行ったって何も問題はありません。ですが、牧場で一人でいるのは、かつて経験した一人カラオケや一人焼肉などとは段違いに寂しさと恥じらいを感じました。なぜなら一人で牧場に行く奴なんていないから。
一人で馬の写真を撮る男。一人でウサギをなでる男。一人でヤギにエサをやる男。
酔狂に思われるだけならともかく、少し心配をされるような目で見られている(と思っている)ので、団体客にヤギと自分のツーショットを撮ってもらう強がりを見せるなどしました。僕は大丈夫です、怪しい人じゃないですよ~っという気持ちで声をかけたのですが、全然怪しいですよね。
体を動物臭くしながら、おいしいソフトクリームを食べて牧場を後にしました。後悔はしていません。
牧場から東京までのバス乗り場がある石段街に向かう途中で、伊香保に湧く黄金の湯と白銀の湯(茶褐色の湯と透明の湯)どちらも入れる温泉施設を見つけました。この喜びはノープランだからこそ味わえるものです。露天風呂に浸かりながら午前中の反省会をしていると、紅葉が自分の近くに落ちてきました。おっこれは、なんだか風流っぽいぞと思い、ここで一句でも詠めればよかったのですが教養が足りず、そして風流さを”風流っぽいこと”からしか感じられない自分の教養や感受性ののびしろを感じながら、温泉で主にメンタルの疲れを癒すなどしておりました。
石段街に戻り、夕方のバスの時間までは玉こんにゃくなどを食べ歩いたり、土産物屋でお土産の干しブドウを買ったりでおとなしく過ごしました。予約してある高速バスに乗りすごす可能性をつぶすべく余裕をもってバス停に到着。少し離れた場所に休憩所があり、そこで座って待っていました。長距離のバスということで、そりゃあ時間通りに来ることはないだろうと思っていて、案の定時間通りには来ず、予定時刻から15分ほど過ぎたところ、1台の大型バスが。ようやく来た、たぶんこのバスだろうと思い歩いて向かっていると、そのバスは一瞬バス停に停まり、すぐに発車していきました。
え?
いやいや、まさか俺が乗るバスがあれなわけがないだろ、こっちは予約しているんだ、もう少し人を探したりするそぶりがあるはずだ。
もう少し待ってみよう、本来自分が乗るはずのバスがもう少ししたら来るはずだ、、、
20分。
30分。
1時間。
ちょっと待ってください?噓でしょ?
本当でした。乗るべきバスはあの一瞬で出発してしまっていました。
さ~て、どうしようか。誰か助けてくれ。
そんなことを思っていると、先ほど一瞬で出発していったバスと同じようなバスが来た。明らかに俺が予約したバスの時刻じゃない!けど、バス会社は一緒みたい!
よ~し、ダメもとでゴネてみよう!!
こちとら牧場で強気のメンタルを手に入れた男。こわいものなど人々の冷たい視線しかないのだ。
運転手さんに事情を説明。予約していたバス会社と同じらしく、自分が一本前のバスに予約していたうえで乗っていないことの確認が取れたよう。
そして、目の前のバスにはまだ空きがあると。
快く乗せてくれたあの運転手さんには感謝しかないです。
このご恩は忘れません、と誓いました。運転手さんは眼鏡をかけていたことしか覚えていませんが。ヤギより運転手さんとツーショットを撮るべきだった。
そんなこんなで無事に東京に到着。なんやかんやといろいろあったなとしみじみしながら自宅に戻りました。
快い疲れと少し黄色くなったタオル、旅の記憶と干しブドウをお土産に、自分は自由であることを実感できた旅でした。
ここから、定期的に一人旅をするようになるのですが、初めての一人旅だったということで伊香保は印象深い地です。町全体の雰囲気は自然豊かで騒がしくなく、観光客受けを狙った派手な何かしらがあるわけでもない、のんびり過ごすことができる街です。石段の上り下りはネックではありますが。
都会の喧騒に疲れたら行ってみてはどうでしょうか?
ということで、旅の思い出をつらつらと書いてみたのですが、3回に分けてようやく終わったか、という感じです。書くのは楽しかったですが、この後も一人旅で関東近郊の温泉地をいろいろと巡っているので、いつ終わるのやら。また気が向いたら書いていこうと思います。
ちょうど、大阪に行く予定があり、せっかくならと有馬温泉に行く計画を立てています。アウトプットよりインプットのほうが多い人生になりそう。ネタ切れはなさそうですね。
またいつか会いましょう。それでは。